『天啓パラドクス(テンパラ)』ファンブログ

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闘技大会を駆け抜けて

作中三度目のフォウジン闘技大会

 

あらすじ

 年に一回、クォンツィで開催される『フォウジン闘技大会』の季節が今年もやってきていた。クォンツィ中、いや世界中から腕に自信を持つ戦士たちが集まり、最強の戦士を決める大会だ。

 クォンツィの記者であるダオユンもこの大会に注目しており、取材して記事にしようと考えていた。そのために、闘技大会の歴史や背景を知るべく知識人であるイーランに話を聞きに行く。
 そのとき、ジャハラの従輝聖であるアーミナも現れる。彼女は未だ目覚めていない従輝聖やその手掛かりを探して各国を旅しており、それらを知っているかもしれないイーランのもとを訪ねていたのである。

 一見すると、ダオユンとアーミナの目的には共通点が無いようだが、実は関連性があった。なんと、第一回の闘技大会を開催したのは、クォンツィの従輝聖だったのだ。
 弟子を数多く取っていたその人物は、弟子の中で誰が一番強いのかを決めるべく大会を開き、それが発展して今日のフォウジン闘技大会になったという。

 元々闘技大会に興味のあったアーミナはこの話を聞いて目を輝かせる。すると、イーランは興味があるなら自分で参加してみてはどうかと提案してくる。
 当時の従輝聖がどのように強さを求め、大会を開こうと考えたのか。従輝聖の手がかりだけでなく、その経緯も知りたいと考えたアーミナはフォウジン闘技大会参戦を決め、また、彼女に興味を抱いたダオユンも密着取材を申し込んだ。

 

 従輝聖の武器を使わずに純粋な実力のみで予選を通過し、順調に勝ち進めていくアーミナ。だが、武の頂を目指して戦い続ける他の選手たちを見て、どこか思うところがあるようで――?

 

目次

登場人物

戦士たち

アーミナ・・・ジャハラの従輝聖。千年前に使用されていたという闘技大会用の服に着替え、大会に臨む。しかし、やけにぱつぱつだし露出も多いので、最初は恥ずかしくて動きづらかった。ちなみに、今回は従輝聖の武器は使用せず、純粋な実力勝負を挑む。
 ダオユンが名付けた二つ名は『礼節と武の踊り子』。

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リーリン・・・武の頂点を目指すクォンツィの戦士。去年も出場していたが、無念の一回戦負けだった。今年こそは実家の道場を再興するという夢を叶えるため、優勝を目指す。

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ミネルヴァ・・・純粋な強さを追い求めて鍛錬に明け暮れる武道家ミザリーの弟子。聖化武装を身に纏い、今度こそ優勝の悲願を果たすべく戦う。
 ダオユンが名付けた二つ名は『拳・槍・機の三刀流』。体術、槍術、師匠の発明を駆使する優勝候補。

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ミザリー・・・世界征服を企むポンコツ天才発明家。ミネルヴァの師匠。今回は聖化武装を身に纏って大会に正式に参加し、自身も優勝を狙う。
 ダオユンが名付けた二つ名は『破壊と発明の征服者』。

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ランシャオ・・・クォンツィの元傭兵にして、野生児。実はここ数年はずっと大会に出場していたのだが、イマイチ目立っていなかった。

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シンユエ・・・最強を自称するクォンツィの脳筋戦士。ここ二年ほど一回戦で負け続けているという屈辱を今度こそ晴らし優勝するため、大会に参戦する。
 ダオユンが名付けた二つ名は『虎渓三笑の槍使い』。(ある物事に集中しすぎて他のことを忘れてしまうという意味。シンユエの場合は戦いしか頭にない戦士という意味だと考えられる)

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大会に注目する者たち

ダオユン・・・食と真実を探求するクォンツィの記者。大会への熱意を感じ、アーミナに密着取材する。全ての選手に二つ名を付けるノリの良さを見せた。

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ファンイー・・・クォンツィの丞相。本来なら大会運営を担当するアイリンルルイが任務でいなかったため、大会運営は経験のない部下たちに任せることにした。

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イーラン・・・クォンツィに住む学校の先生。ダオユンとアーミナに闘技大会の歴史を教えた。

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不参加者たち

アイリンルルイチーシェンレイリャン・・・実力者たちだが、ジェネラスの脅威に備えるという任務が与えられたため、今回の大会には不参加。

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チャオグォ・・・クォンツィの料理人。大会の影響で彼女の店は連日満員となっているが、幼馴染であるダオユンに頼まれてアーミナとリーリンのために弁当を作った。

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エイツ・・・本作の主人公。今まで全てのイベントに登場していたが、初めて出番が無かった。一応、大会前には品物を届けにクォンツィに来ていた。

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ストーリー

▼ネタバレ注意

 本選一回戦第一試合。本選の最初の試合はいきなりの注目カードであった。なぜなら、ミネルヴァVSミザリーという師弟対決であったからだ。しかし、この二人に戸惑いなどなかった。お互いに手を抜かずに全力で戦うと宣言する。

 一進一退の攻防が続く中、ミネルヴァを仕留めるべく、ミザリーは奥の手である聖なるミザリー砲・ガトリングモードを発動。砲撃の嵐を前にしたミネルヴァは回避に徹して反撃の隙を伺う。最後まで諦めないその姿勢にダオユンは胸を熱くしていたが――。
 ミザリーの砲撃は『建物や他者に損害を与えた選手は失格となる」という規則違反を犯していた。ミネルヴァが避けたことで、壁を破壊してしまっていたのだ。こうしてミザリーは反則負けとなった。

 判定を不服と騒ぎながら衛兵に連れていかれるミザリー。崩落した壁に巻き込まれそうになったところを師匠ミザリーに助けてもらったことで、ますます彼女を尊敬するようになったミネルヴァ。何はともあれ、師弟対決はミネルヴァの勝利に終わった。

 

 一回戦第六試合。今度はアーミナVSランシャオの戦いが始まった。アーミナは美しい隙の無い剣舞でランシャオを追い詰めるが、これをランシャオは無理やり突っ込んで打ち破る。
 そして、今度は逆にアーミナを拳と脚を使った力押しの連撃で少しずつ場外へと追い詰めていく。

 会場の熱気を力に変えるランシャオに圧倒されるアーミナだったが、そこで策を思いつく。彼女の突進を剣で受け止め、そのまま身を翻して受け流したのだ。勢いに乗っていたランシャオは場外へと放り出され、敗北。アーミナが勝利した。

 

 その後、闘技大会は特に大きな波乱もなく準決勝まで進行した。ベスト4に残ったのは、アーミナリーリンミネルヴァシンユエ。4人ともベスト4に恥じぬ強者ぞろいである。また、準決勝の組み合わせはアーミナVSリーリン、ミネルヴァVSシンユエとなった。
 アーミナとリーリンはこの大会によって親交を深めた友人。その二人が戦うことになったのである。

 

 準決勝第一試合、アーミナVSリーリン。アーミナは剣舞を繰り出し、リーリンはその攻撃を防いでいく。隙は無いがそこまで重い攻撃ではないため、防御自体は比較的容易であった。
 アーミナは状況を打破すべく、重い一撃を放つ。リーリンはそれを受け止めると、鍔迫り合いのような状態となって押し合った。

 そのとき、リーリンはアーミナに問いかける。確かに彼女の一撃は重かったが、心が乗っていない見掛け倒しの攻撃であること――心に迷いがあることを見抜いたのだ。

 両者は一時戦いを中断すると、見抜かれたアーミナは自分の心の内を話し始める。リーリンを始めとする他の参加者たちは、立派な夢や大きな野望を持って本気で優勝を目指している。
 だが、自分は従輝聖のことを知ることが目的で、優勝を目指すほどの重い動機などない。さらに、負けず嫌いな性分のせいで、勝ちを諦められない――。非常に中途半端な状態なのが心苦しいということを。

 しかし、その話を聞いたリーリンはアーミナにも自分と同じく戦う理由があると言う。他の従輝聖の情報を集めているということは、つまりアーミナは従輝聖としての自分の使命に真っ直ぐ向き合っているのだと。
 それを聞き、アーミナは自身の抱えていた心の迷いが消える。当たり前すぎて忘れていたこと――自分にも誰かに誇れる目標があったということに気付けたのだ。

 そして、戦いは再開する。先ほどまでとは違って、戦いを心の底から楽しむ二人がそこにはあった。互いに全力を込めた一撃を放ち、勝負を決めようとする。

 激闘の末、倒れたのはアーミナであった――。

 

 その夜、アーミナが人気のない場所で佇んでいると、彼女を労いたいと考えていたダオユンランシャオが現れる。彼女にチャオグォ作の肉まんを渡すと、アーミナは自分の心の内を語り始めた。

 リーリンに負けたことも確かに悔しかったが、それ以上に自分が抱いていた覚悟を忘れたまま試合に臨んでしまった心の弱さが何よりも悔しかったと。そして、今まで負けたくないという想いだけで闘い続けてきたが、それ以外にも闘う意味を見つけたいと考えるようになったのだと。
 眠りから目覚めた『今』を生きる意味を見つけたいのだと。

 それを聞き、ダオユンとランシャオは彼女が新たな目的を見つけたことを祝福。そして、アーミナは翌日の決勝戦に臨むリーリンに、自分の想いを託そうと応援することを決めたのだった。

 

 決勝戦リーリンの相手は、シンユエを下したミネルヴァだった。両者の実力は拮抗しており、勝負がつかないまま延長戦に突入していた。
 その白熱する闘いを見ていたアーミナは、この大会を開いたきっかけとなった従輝聖の真意を理解した。自分の弟子たちに、強さだけではない、勝利の先にある各々の高みを目指してほしくて大会を開いたはずだということを。

 そうしていると、延長戦終了を告げるゴングが鳴り響いた。決着はつかないまま、リーリンとミネルヴァは同時優勝となったのだった。

 

 優勝を喜ぶミネルヴァと、弟子が栄誉を掴んだことを心の底から祝うミザリー。しかし、ミネルヴァは次は圧倒的に優勝するためにもっともっと強くなることを宣言するのだった。

 リーリンが優勝したことを祝福するアーミナ。リーリンは自分が優勝できたのはアーミナがいてくれたからだと感謝の意を述べる。彼女のような素晴らしいライバルと出会えたことは、優勝と同じくらいに価値のあるものだと笑顔で語ったのだった。

 

 

 大会の終了後、ダオユンは大会で起きた出来事を記事にまとめていた。優勝者以外が敗者というわけではなく、それぞれの参加者にはそれぞれの成長があること。そうしてかけがえのない物語が生まれるのがこの大会であり、それらが積み重なることでクォンツィの形のない財産となる。

 そうやって、フォウジン闘技大会は千年後へと新たな歴史を紡ぎ続けていく。千年前にこの大会の礎を築いた従輝聖の想いが現在にも受け継がれてきたように――。

 

 

 

個人的な印象

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 通算三回目となるフォウジン闘技大会。一回目はライサ、二回目はアイリン、三回目はリーリンとミネルヴァが優勝した。多分来年もあるだろうけど、そうなったら誰が優勝するんだろう。次は各国から集めたオールスターで戦ってほしい。

 

 

 

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